コンセプト
満ち足りた生を送りたいものです。それには結局日常が大切です。物語の主人公(男女のカップルです)が、そう考えているのです。
けれども、満ち足りた生、それは余りに遠くて、そこに届くのはほとんど絶望的です。そう考えるのが現実的です。
そこで、ここは思い切って、こう考えることにしてみましょう。いや、ぜんぜん遠くなんかない、と。

たとえば、世界じゅうの出来事に対してヴィヴィッドでいようと、がんばって努めていればいいような気がする。
だって、誰の日常も、その日常よりもずっと大きなスケールを持つ何かと、絶対につながっているのだから。
それを心から実感すること、そして、その実感を長く維持しておくことはとても難しい、ということは、とりあえず措いておいて。

「ゾウガメのソニックライフ」は、わたしたちが感じているうんざりさ(および、その主な要因である社会)に、どこかしら普遍的なものがあることを、せめてものこととして信じて、つくられます。

2009年発表の「ホットッペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」では、日常を描写するというナチュラリズムの追求を一気に加速させ人々の所作を拡張させたダンス作品を、2010年発表の「わたしたちは無傷な別人である」ではそれまでの方法論を次なる次元に押し進め、時空間をより抽象化した演劇が、観客の想像力によってのみ完成することを示したチェルフィッチュ。2011年の新しい探求にぜひお立ち会い下さい。

岡田利規
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クレジット

作・演出 : 岡田利規
出演 : 山縣太一 松村翔子 足立智充 武田力 佐々木幸子
舞台美術 : トラフ建築設計事務所
照明 : 大平智己
音響:牛川紀政、大久保歩 (山口情報芸術センター[YCAM]のみ)
舞台監督 : 鈴木康郎、弘光哲也、尾崎聡 (山口情報芸術センター[YCAM]のみ)
企画 : precog
企画制作 : 神奈川芸術劇場水戸芸術館ACM劇場山口情報芸術センター[YCAM]
宣伝美術 : 菊地敦己 (bluemark)、小金沢健人
特設ウェブデザイン : 石黒宇宙 (gm projects)
特設ウェブ編集 : 中島良平

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出演者プロフィール
山縣太一
山縣 太一
1979年、横浜生まれ。2001年『団地の心への旅』よりチェルフィッチュ参加。それ以降チェルフィッチュ全作品に出演。演劇だけではなく、ダンス作品への参加など多方面への活動を展開中。また劇団山縣家や自身が作・演出を務める音楽家大谷能生とのユニット「ライン京急」でも注目を集める。
松村翔子
松村 翔子
1984年、神奈川県横浜市生まれ。2003年、一人芝居「マリファナの害について」よりチェルフィッチュに参加。以降「三月の5日間」、「私たちは無傷な別人である」などチェルフィッチュ作品に出演多数
足立智充
足立 智充
1979年、静岡県生まれ。2008年『フリータイム』よりチェルフィッチュ参加。その他に、ニブロール『no direction。』、ミクニヤナイハラプロジェクト『3年2組』『さよなら』『青ノ鳥』、『月の教室』(演出:宮沢章夫)。映画「やくたたず」(三宅唱監督)、「MORE(仮)」(伊藤丈紘監督)2011年公開予定
武田力
武田 力
1983年熊本県生まれ。チェルフィッチュには2008年『三月の5日間』シンガポール公演より参加。フェスティバル/トーキョー09秋『4.48サイコシス』(作:サラ・ケイン、演出:飴屋法水)などに出演。俳優としての活動のほかアートプロデュースも行い、YOKOHAMA創造界隈コンペを受賞『手のひらが横濱』を企画・開催。
佐々木幸子
佐々木 幸子
1979年千葉県生まれ。日本大学芸術学部放送学科在学中から演劇を始める。2010年はポツドール「夢の城(ドイツ公演)」チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人である」に出演。

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