ゾウガメのソニックライフ
舞台美術をイメージしたリハーサルも開始

今回の作品で舞台美術を担当するのは、『フリータイム』『私たちは無傷な別人である』に続き、トラフ建築設計事務所。舞台のほぼ中央に、前後を分ける水平線もイメージさせる装置を設え、イスやテーブルも使用するイメージができあがってきた。そうしたセットを想定して、アトリエにあるイスやテーブルを使用してリハーサルを開始。舞台上の役者たちの位置関係、セットとの関係の仕方が、思わぬ効果へと結び付く。
あるイスを中心に、5人の役者がギュッと集まる瞬間が生まれた。もう一度同じシーンを試したときには、5人がほどよく散らばってみた。集まることで、密集感による独特なおもしろさが生まれたが、ほどよく散らばったときには、役者同士が互いを意識し合っているような関係性を見る側が想像し、「当たり前」の感覚を得てしまう。イスなどの舞台装置と役者との関係性も、きっかけのひとつなのかもしれない。目線の高さや角度が、立ち方や座り方によって変わってくるし、装置を使うことで異なる動きも生まれてくるから。
岡田は、役者の「各自各様の立ち方」を重視している。5人の役者が舞台上にいることがすなわち、5本の巨木が干渉し合うことなく立っているような、5人の間にヒエラルキーのない関係性を舞台上に生み出そうと考えている。何かを「やりすぎる(=動くことなどによって効果を生み出そうとする)」ことで、そこに「いる(=舞台上に存在している)」ことが薄まってしまう。舞台美術が具体化してきたこととあわせて、その舞台上で役者がどのように存在するか、さまざまなパターンが試されている。
近日、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一さんのインタビュー記事もアップを予定しています。