岡田利規
ついにリハーサルがスタート

去る11月29日、リハーサルの初日を迎えた。場所は、神奈川芸術劇場8階のアトリエ。広い窓からは陽が射し、12月間近とは思えない暖かな天気のもとで顔合わせが行われた。体調を崩して欠席した山縣太一を除く4名のキャストと岡田利規が、神奈川芸術劇場の眞野純館長ら劇場関係者とあいさつを交わし、初日ということでワークショップを行った。
「会話の場面をどう扱うか」「舞台上で役者たちが会話をしている様子を見てどう感じるか」「どういうときに会話の場面が必要になってくるのか」「そもそも舞台上で会話が行われているのがありなのか」…そうしたテーマでディスカッションが行われ、新作における「会話」について考える糸口が探られた。 そして、ワークショップが開始。まずは、ひとりの役者が自分の体験した何かについて話す。例えば武田力は、タイ公演のオフの日にひとり電車で出かけ、現地の奇妙なオバサンと触れ合ったエピソードを、松村翔子はタイの宿舎にいた猫がどれだけ可愛かったかのエピソードを、といった具合に。そして、それを聞いた隣の役者が、伝聞形式ではない言葉選びでその内容を再現する。
「そのエピソードは誰が体験したことなのか」
言葉選びや話し方、そして、話す人物と話さない人物が2人で舞台に並び、身体の動きや位置取りによって関係が生まれることで、話されるエピソードの主体が変わってくる。さらには話されたエピソードに広がりも生まれてくる。『ゾウガメのソニックライフ』の制作現場がいよいよ始動した。舞台上のダイアローグに着目する岡田と、実際に話し、体現する役者たちの意見が交わされ、作品の輪郭が浮かび上がってくるはずだ。
今後、稽古場のレポートを随時アップする予定なので、ご期待ください。